ついに登場!業界初のMPサーバー向けクアッドコア・プロセッサー~インテル Xeonプロセッサー 7300番台(Tigerton)~

2007/9/6 - トピックメーカー/田中伸一

インテルは2007年9月5日、都内においてMP(マルチプロセッサー)サーバー向けの次世代プラットフォーム“Caneland”(ケーンランド)の記者発表会を行った。

仮想化/サーバー統合に適した拡張性と信頼性、電力効率を提供

Canelandは、MPサーバー向けとしては業界初のクアッドコア・プロセッサーとなる“クアッドコア インテル Xeon プロセッサー 7300番台(Tigerton) ”と“インテル7300チップセット(Clarksboro)”から構成される。
インテル株式会社 代表取締役共同社長 吉田 和正 氏は、『最近注目を集めている仮想化、およびサーバー統合に適しているのがマルチコアとマルチプロセッサーです。今回発表するCanelandプラットフォームは、従来のデュアルコアをベースとしたMPサーバー向けプラットフォームと比較して、性能は2倍以上、仮想化性能は2.5倍以上、そして電力効率は3倍以上に達します。そしてMPサーバー向けプロセッサーとしては初めてインテルCoreマイクロアーキテクチャーを採用したことで、L7300番台ではTDP(Thermal Design Power : 熱設計電力)がわずか50Wになっています。データセンターに優れた電力効率とさらなる高密度化、拡張性、信頼性をもたらすCanelandプラットフォームにより、企業はサービスの付加価値を一段と高め、より強い競争力を身につけることができます。』と自信を滲ませた。

インターコネクトの広帯域化とシステム・トラフィックの削減、大容量メモリーへの対応

詳しい説明を行った同社インテル技術本部長の及川 芳雄 氏によると、Canelandの主な特長は以下の4つ。

  1. FBS(Front Side Bus)の高速化と、プロセッサーごとに独立した専用高速インターコネクト(DHSI = Dedicated High-Speed Interconnect)により2倍以上の広帯域化を実現。
  2. プロセッサー間のキャッシュ・コヒーレンス(キャッシュに取り込まれたデータの整合性)を管理する64MB スヌープ・フィルター・キャッシュにより、不要なシステム・トラフィックを削減。
  3. 8GBのFB-DIMM(Fully Buffered DIMM)を最大32本、従来比2倍以上となる最大256GBの大規模メモリーに対応。
  4. I/Oスループットの向上、レイテンシーの削減に貢献するインテル I/Oアクセラレーション・テクノロジー2(インテルI/OAT2)の採用。

そして、具体的なパフォーマンス・データとして、前世代Xeon 7140M(Tulsa、3.40GHz)と、Xeon X7350(2.93GHz)、E7340(2.40GHz)、そしてL7345(1.86GHz)に対するSPECjbb 2005ベンチマーク、およびシステム・レベルでの消費電力の測定結果を披露しながら、性能で最大1.87倍、消費電力当たりの性能では最大2.25倍になることを示した。


Xeon 7300番台のパフォーマンス・
データを示す及川氏
Xeon 7140MのSPEC jbb 2005ベンチマーク結果、およびシステム・レベルでの消費電力を‘1’とした場合、X7350の性能は‘1.87’、L7345の消費電力は‘0.72’、消費電力当たりの性能は、X7350で‘1.86’、L7345で‘2.25’となる。

“Penryn”とのライブ・マイグレーションも可能に

また、仮想化関連の話題として及川氏は、インテルXeonプロセッサー7300番台と、インテルCoreマイクロアーキテクチャーを採用する他のプロセッサー(3200番台、5300番台など)を組み合わせることで、1~4ウェイ以上からなる広大なリソース・プールが構築でき、その中で、ライブ・マイグレーション――あるサーバー上で稼動している仮想化環境を停止させることなく、他のサーバーに移動させること――が可能となり、仮想化環境の柔軟性が向上すると述べた。そして、45nmプロセスで製造される将来のプロセッサー(Penryn)では“インテル VT FlexMigration”と呼ばれる技術がサポートされ、これにより、今回のインテルXeonプロセッサー7300番台をはじめとするインテルCoreマイクロアーキテクチャー・ベースのプロセッサー(搭載サーバー)との間で、透過的なライブ・マイグレーションが可能になると解説した。


将来のプロセッサーとの
“ライブ・マイグレーション”も可能
インテルCoreマイクロアーキテクチャーをベースとしたデュアルコア/クアッドコア・プロセッサー搭載の1~4ウェイ以上のサーバーのほか、マイクロアーキテクチャーが拡張されるPenrynとも、“インテル VT FlexMigration”を通じて、透過的にライブ・マイグレーションが可能となる。

4000 SD Users以上の処理で真価を発揮

SAPジャパン株式会社 SAP Labsジャパン Enterprise SOAコンピテンス・センターAPJバイス・プレジデント ザーレック・アクセル氏は、『SAPの最新の製品に移行することで、インテルXeonプロセッサー7300番台ベースのサーバーから大きなベネフィットが得られます。インテルの最新プラットフォームは、SAP ERP 6.0、およびSAP NetWeaver BIAにおいて市場をリードするパフォーマンスを示しています。』とする同社CTO、Dr. Vishal Sikka氏のコメントを紹介。また、インテル公式サイトの『クアッドコア・スペシャル・インタビュー第3回』で登場している同社のスペシャリスト渡邊 周二 氏が、ドイツに赴いて測定したというSDベンチマーク結果を示しながら、インテルXeonプロセッサー7300番台搭載サーバーの真価は、4000 SD Users以上(2-Tier)の処理で発揮されると述べた。


SDベンチマークで計測による
Xeon搭載サーバーの性能比較
Xeon X7350搭載サーバーの3705 SD Usersは、前世代Xeon 7140M搭載サーバー(2127 SD Users)の約1.74倍に達する。

Xeon 5300番台からXeon 7300番台へのVMotionを実演

ヴイエムウェア株式会社 代表取締役社長 三木 泰雄 氏は、あらゆるアプリケーションを仮想化で統合したいというユーザー・ニーズが高まっている現在、インテルXeonプロセッサー7300番台の登場はまさにタイムリーであり、多くのメモリーが搭載できるようになったことで、ERPのような負荷の高いアプリケーションを仮想化環境に統合した場合にも、パフォーマンスと安定性が維持されると述べた。
そして同社VMotionを使ったデモでは、Xeon X5355(Clovertown、2.66GHz)搭載サーバー上の仮想化環境で稼動しているストリーミング・サーバーを、Xeon X7350(2.93GHz)搭載サーバー上に‘無停止’で移行させる様子が披露された。


ヴイエムウェア株式会社による
VMotionのデモ
Xeon X5355搭載サーバーとXeon X7350搭載サーバー上の仮想化環境の稼働状況をモニタリングしながら(右画面)、移行中のストリーミング・サーバーから配信されているビデオ映像(左画面)が中断されないことが確認できる。

デモ機


VMotionのデモに使用されたマシン
最上段がXeon X7350搭載サーバー、次がXeon X5355搭載サーバー。そのほかストレージ・システムにNetApp FAS3000シリーズ(Network Appliance社)、ラックにNetShelter SX(APC社)、UPS(無停電電源装置)にはSmart-UPS RM3000という構成。

インテルXeonプロセッサー7300番台(Tigerton)


展示された“Tigerton”の実物
FSBは1066MHz、L2キャッシュは最大8MB、TDP(Thermal Design Power)は、X7350(2.93GHz)が130W、L7345(1.86GHz)が50Wとなる。

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