インテル クアッドコア テクノロジー プレス・カンファレンス

2006/11/17 - トピックメーカー/田中伸一

 デュアルコア インテル Xeon プロセッサー5100番台(Woodcrest)の発表から約5ヶ月。インテルは都内で開催した「インテル クアッドコア テクノロジー プレス・カンファレンス」において業界初のクアッドコア製品となる“インテル Xeon プロセッサー5300番台”(以下、Clovertown)と“インテル Core 2 ExtremeプロセッサーQX6700”(以下、Kentsfield QX6700)を発表した。ClovertownはDP(デュアルプロセッサー)サーバー向け、Kentsfield QX6700は、ゲーマーなどのコンシューマーを対象としたハイエンド・デスクトップPC向けとなる。具体的なランナップは表1の通り。

  コア/システム・バス TDP 単価(千個ロット時)
クアッドコア インテル Xeon プロセッサー5300番台
X5355 2.66 GHz / 1333 MHz 120 W ¥140,850
X5345 2.33 GHz / 1333 MHz 80 W ¥102,270
X5320 1.86 GHz / 1066 MHz 80 W ¥82,920
X5310 1.60 GHz / 1066 MHz 80 W ¥54,680
クアッドコア インテル Core 2 Extreme プロセッサー
QX6700 2.66 GHz / 1066 MHz 130 W ¥120,060

表1)
今回発表されたクアッドコア・プロセッサーのラインナップ

約6億トランジスターを搭載したクアッドコア・プロセッサー

 Clovertownは、2つのWoodcrestを一つのパッケージに納めたようなデザインのクアッドコア・プロセッサーである。実際、ダイ上に4MBのL2キャッシュと、それを共有する2つのコアが実装されている様子を見ると、それはWoodcrestそのものである。インテル株式会社 マーケティング本部 本部長 阿部 剛士 氏によると、Clovertownのプロセス技術は65nm、ダイ一つあたりの面積と集積トランジスター数は、それぞれ143mm2、2億9,100万個。全体では約6億トランジスターが使われている。

 また、インテルのロードマップで示されていた通りClovertownは、Woodcrestやデュアルコア インテル Xeon プロセッサー5000番台(Dempsey)とソケット互換で、いずれもBensleyプラットフォーム、およびGlidewellプラットフォームに対応している。Bensleyはインテル 5000P/Z/V チップセット(Blackford)搭載のDPサーバー向け、Glidewellはインテル 5000X チップセット(Greencreek)搭載のワークステーション向けプラットフォームである。そのためシステム・ベンダーは、既存のデュアルコア・マシンのプロセッサーを差し替えるだけでクアッドコア・マシンにすることができる。後述するが、この日行われたClovertownとWoodcrestの性能比較デモでは、プロセッサー以外はまったく同じ構成のGreencreek搭載ワークステーションが使われていた。

 阿部氏によると、インテルはこれまでに出荷された65nmプロセス採用のプロセッサー製品は4,600万個、うち600万個をデュアルコア製品が占めているとのこと。同氏は今回のクアッドコア製品が将来に向けた‘道標(みちしるべ) ’であると述べ、インテルがこれからマルチコア戦略を加速させていく姿勢であることを予感させた。

クアッドコア・プロセッサーの実物を披露する阿部氏。
向かって左がClovertown、右がKentsfield X6800。

「ClovertownとWoodcrest、Dempseyはソケット/プラットフォーム互換ですから、メーカーはClovertown搭載サーバーを“Time to Market”で市場投入できます。」

Woodcrestに対して最大50%の性能向上

 一方、性能面について阿部氏は、21ヶ月前に登場したシングルコア インテル Xeon プロセッサー(Irwindale)を‘1’とした場合の相対比という形で示した。それによるとClovertownの性能は4.5、ワットあたりの性能では4以上になるという。そして、同様の比較をWoodcrestに対して行った場合、性能は3、ワットあたりの性能では3.5なることを示しながら、クアッドコア化により、性能と電力効率の大幅な向上が達成されたことをアピールした。

性能比較デモ

 ClovertownとWoodcrestの性能比較デモでは、日本ヒューレット・パッカード株式会社(HP)のHP xw8400 Workstation(2ウェイ、Greencreekチップセット)と、ザイオソフト株式会社の医用画像処理アプリケーションを使用。具体的なデモ内容は、(専門外なので詳しいことはわからないが)人の臍(へそ)からつま先までをCT(コンピューター断層撮影)で1mm刻みにスキャンした1,000枚の断層画像から、回転間隔3.6度、計100枚のシネ画像を生成するというもので、Woodcrestマシンの場合、その所要時間は30秒強。これに対して、Clovertownマシンは約20秒という結果だった。

右がClovertown、左がWoodcrest
各スクリーンの右下を見比べれば、コア数の違いがわかる。

2006年はインテルとって‘意味深い年’

 また、オープニングで挨拶に立ったインテル株式会社 代表取締役 共同社長 吉田 和正氏は、“インテル Coreマイクロアーキテクチャー”やWoodcrest、Conroe、Morom、Montecitoといったデュアルコア・プロセッサーの発表、ビジネスPC向け“vPro”、ホームPC向け“Viiv”、ノートブックPC向け“Centrino Duo”といったプラットフォーム・ブランドの展開など、今年のインテルが1年を通じて‘リリース・ラッシュ’だったことを振り返りながら、「2006年は、インテルにとって意味深い年になります。インテルは今後ともプロセッサー、そしてプラットフォームの両面から技術革新を続けていきます」と“プラットフォーム・カンパニーとしてのインテル”を強調した。さらに吉田氏は、80コアを搭載したテラフロップス・プロセッサーの話題に触れ、将来的なパフォーマンス・ニーズにも、マルチコアをベースとした技術で応えていくことを明言した。

今年のインテルを振り返る吉田氏

2010年には“PFLOPS(ペタフロップス)”を実現

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