サーバー向けプラットフォーム製品のロードマップ

2006/9/27 - トピックメーカー/田中伸一

インテルHPCプラットフォーム・テクノロジー・セミナー

 2006年9月7日、都内で開催された「インテル HPCプラットフォーム・テクノロジー・セミナー」において、サーバー向けプロセッサー/プラットフォーム製品の最新ロードマップが公開された。

インテル Itanium プロセッサー・ファミリー

 まず、インテル Itanium プロセッサー・ファミリーでは、2007年にFSB(Front Side Bus)を667MHzに強化 *1) したデュアルコア・プロセッサー“Montvale”が登場する (写真1)。 このプロセッサーと、今年7月に発表されたデュアルコア インテル Itanium 2プロセッサー9000番台(Montecito)、その前世代のシングルコア“Madison”までは、インテル E8870チップセット・ベースのプラットフォームに対応している。そして2008年にはクアッドコアの“Tukwila”が登場し、プラットフォームも“Rose Hill”チップセットをベースとした“Richford”に一新される。
1) MontecitoのFSBは400MHz、および533MHz

写真1)
インテル Itanium プロセッサー・ファミリーの最新ロードマップについて語るインテル株式会社 マーケティング本部 HPCプログラム推進部の岡崎 覚 氏。

インテル Xeon プロセッサー・ファミリー

 次にインテル Xeon プロセッサー・ファミリー。4ソケット以上のMP(Multi-processing)サーバー向けでは、今年8月に“7100番台”(Tulsa)が発表されたが、Intel NetBurst マイクロアーキテクチャー(以下、NetBurst)ベースのMP向けプロセッサーはこれで‘打ち止め’となる。2007年には“Caneland”プラットフォームに対応したインテル Core マイクロアーキテクチャー(以下、インテルCore)ベースのクアッドコア・プロセッサー“Tigerton”、その翌年には“Dunnington”が予定されている。一方、クラスター・システムなどに適した2ソケット構成向け製品は2008年にかけて、NetBurst世代の“5000番台”(Dempsey)とインテルCore世代の“5100番台”(Woodcrest)、そしてクアッドコアの“Clovertown”、更にもう一世代先と、少なくとも4世代のプロセッサーが“Bensley”プラットフォームでサポートされることになる(写真2)

写真2)
サーバー向けプロセッサー/プラットフォーム製品のロードマップ(※画像をクリックすると拡大します。)

 インテル Xeon プロセッサーに関しては、「消費電力ロードマップ」も紹介された(写真3)。それによると、Clovertownの消費電力はメインストリーム・サーバー向けが80W、高性能サーバー向けでも120W以下に抑えられるとのことだった。

写真3)
インテル Xeon プロセッサー・ファミリーの消費電力ロードマップ(※画像をクリックすると拡大します。)

 ところでClovertownは、2つのWoodcrestを1つのパッケージに収めたようなプロセッサーとなる(写真4)。もし、クロックや電圧の調整を行わなかった場合、消費電力はWoodcrestの2倍となる。仮に高性能サーバー向けClovertownのコアが、Woodcrest 5160ベースだったとすると、その消費電力はTDP80Wの2倍で160W、またメインストリーム向けClovertownのコアが同5150ベース(TDP 65W)だとすると130Wということになる。しかし、公開されたロードマップの数値は、これを大幅に下回る。このことからClovertownの電力性能比は、Woodcrestより一層高くなることが期待される。

写真4)
DempseyからClovertownへの変遷

写真5)
歴代インテル Xeon プロセッサー・ファミリーの電力性能比

余談

 最後に余談として、消費電力ロードマップを参考にClovertownの性能とクロックを筆者なりに「皮算用」してみた。Woodcrest 5160の消費電力はコアにつき40W(TDP80W/2コア)、Clovertownは30W(120W/4コア)、つまり25%のダウンとなる。インテルは4月に行われたIDF Japan 2006において「20%のアンダークロックで、プロセッサーの性能は0.87倍(13%ダウン)、消費電力は0.51倍(49%ダウン)になる」と述べている。これに従うと、クロックを約10%落とすことで、約25%の消費電力ダウンが可能となる。従ってClovertownのクロックは2.7GHz前後ということになる。これをもとに今度は性能を試算してみる。WoodcrestとClovertownは、どちらもインテルCoreベースのプロセッサーなので、1クロックにつき最大4つのμOP(マイクロ命令)が処理できる。Woodcrest 5160のクロックは3.00GHzなので、1秒間に処理されるμOP数は4×3.00(GHz)×2(コア)で理想値最大24×109(コアあたり12×109)である。これに対してClovertownのクロックが先の計算どおり2.7GHzだったとすると、処理されるμOP数は4×2.7(GHz)×4(コア)で、秒間43.2×109(コアにつき10.8×109)となる。以上をまとめると(高性能サーバー向け)Clovertownのクロックは2.7GHz前後、性能はWoodcrestの約1.8倍、電力性能比は20%アップということなった。実際のスペックはおそらく今年中にわかることになるが、果たして、結果やいかに!

その他のスピーチ

インテルのソフトウェア開発ツールを紹介するインテル株式会社 ソフトウェア&ソリューションズ統括部 分散並列技術部 堀越 将司 氏。

「インテル VTuneパフォーマンス・アナライザーでアプリケーション中の‘ホットスポット’を見つけ出し、OpenMPやMPIをサポートしたコンパイラー(の自動並列化)やライブラリーを使ってスレッドを導入することで、コードの記述や保守が容易でスケーラビリティーのあるアプリケーションを開発できます。また、インテル スレッド・チェッカーはスレッド間の正当性チェックを容易にし、インテル スレッド・プロファイラーは、パフォーマンス・チューニングを支援します。」

大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研機構 素粒子原子核研究所 物理第一研究系 教授 理学博士 片山伸彦氏は、素粒子物理学実験“Belle”におけるIAサーバーの役割を紹介。

Belle実験で現在使われているシステム。左上が計算用サーバー(他はストレージ関連)
「世界57の大学・研究所が参加する国際共同研究“Belle”では、世界最高輝度の加速器“KEKB加速器(Bファクトリー)”の中で引き起こされる現象を、20万チャンネルのセンサーを備えた検出器で捕らえ、サーバーで処理します。これまでに捕らえた事象は260億、磁気テープに記録されたものだけでも180億事象です。蓄積された生データを立体再編成データや模擬実験のための擬似データの生成などのために膨大なコンピューティング・リソースが要求されます。2006年に稼動を始めた第3期システムには、1,200台のIAサーバーが使われており、その性能はSPECint_rate_base2000で45,000、2009年には105,000に達する予定です。」

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