デュアルコア インテル Xeon プロセッサー5100番台を正式発表

2006/7/1 - トピックメーカー/田中伸一

2006年6月26日、インテルはDP(デュアル・プロセッサー)サーバー/ワークステーション向け新製品「デュアルコア インテル Xeon プロセッサー5100番台」(以下、5100番台)を正式発表した。当日、都内で行われた記者発表会ではインテル コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 サーバー・プラットフォーム事業部長 カーク・スカウゲン氏が、今後のプラットフォーム戦略についてスピーチしたほか、国内のシステム・ベンダー各社による展示会が催された。インテル Core マイクロアーキテクチャーの特長などは、既に公表されている通りなので今回は、スカウゲン氏や展示会に参加したベンダー担当者のコメントを中心に、デュアルコア インテル Xeon プロセッサー 5100 番台、および、Bensleyプラットフォームの実体に迫っていく。

今回発表された製品のラインナップは表1の通り。

表1.デュアルコア インテル Xeon プロセッサー 5100 番台のラインナップ
  コア・クロック / システム・バス TDP 単価 (千個ロット時)
5160 3.00 GHz / 1333 MHz 80 W ¥97,000
5150 2.66 GHz / 1333 MHz 65 W ¥79,000
5140 2.33 GHz / 1333 MHz 65 W ¥52,000
5130 2.00 GHz / 1333 MHz 65 W ¥36,000
5120 1.86 GHz / 1066 MHz 65 W ¥29,000

インテル Core マイクロアーキテクチャーを採用した初の製品となる 5100 番台の TDP (熱設計電力) は、最上位の 5160 が 80 W、ほかは 65 W となる。約1ヶ月前に発表された 5000 番台 (以下、5000 番台) と比較すると、TDP は最大で 1/2 となる。こうした 5100 番台の省電力メリットに対する、ベンダー各社のコメントは共通している――『5100 番台の電力性能比はシングルコア インテル Xeon プロセッサー (Irwindale) の 4 倍くらいになります。Intel NetBurst マイクロアーキテクチャー世代は、発熱量が多いので空調設備の冷却能力や、電源容量の問題でラック一杯にサーバーを搭載できないケースもあるようです。5100 番台は消費電力がかなり抑えられているため、省スペース、高密度というラックマウント型サーバー本来の特長を最大限、活用できます。』 (システム・ベンダー A)

展示会場では、インテルによる 5100 番台の電力効率を示すデモも行われていた。内容は、SunGard ACR (Adaptive Credit Risk) によるシミュレーションを、DP 構成のデュアルコア インテル Xeon プロセッサー 5160 とシングルコア インテル Xeon プロセッサー 3.60 GHz (以下、Irwindale) で実施した際の、処理時間と消費電力を比較するというもの。まず、コンセントに接続された消費電力モニターからは、いずれのシステムもアイドリング状態で 300 W 前後の電力を消費していることが確認された。しかし、デモの実行が開始され、各コアの使用率がピークを示すと 5160 の消費電力が 300 W 台半ばであるのに対して、Irwindale は 500 W 近くまで上昇。処理時間は 5160 の約 24 秒に対して、Irwindale は約 56 秒という結果だった。

一方、出荷時の単価に注目すると、約1ヶ月前に発表された 5000 番台 (5080 / ¥97,000~5050 / ¥24,000 ※千個ロット時) とあまり変わらない。同様の価格帯で、同じ Bensley プラットフォームに対応したプロセッサーが登場したことになるが――『わずか1ヶ月の時間差ですが、予算の期限や、その他のビジネスの事情で、性能は欲しいが 5100 番台搭載システムの出荷まで待てないというお客様も少なくありません。Bensley プラットフォームなら、そうしたお客様の場合でも、将来的に 5100 番台にアップグレードすることができます』 (システム・ベンダー B) ――というコメントからわかるように、実際のシステム導入には、性能や電力効率以外の要因も大きく影響する。そういう意味で、5100 番台、5000 番台という異なる世代のプロセッサーをサポートした Bensley プラットフォームのメリットは大きい。

更に同プラットフォームの「将来性」に関して、インテル コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 サーバー・プラットフォーム事業部長のカーク・スカウゲン氏は次のように述べ、長期にわたりその有用性が維持されることをアピールした――『Besley プラットフォームは、既に出荷中のデュアルコア インテル(R) Xeon(R) プロセッサー 5000 番台と今回の 5100 番台だけではなく、2007年に予定しているクアッドコアの“Clovertown”、更に 45 nm プロセス世代となる将来のクアッド/デュアルコア・プロセッサーにも対応しています。』

ところで6月23日の記事で、Bensley プラットフォームがサポートする FB-DIMM (Fully Buffered DIMM) は、従来 DIMM に比べて拡張性に優れていることに触れたが、スカウゲン氏もスピーチの中で、DDR や DDR2 を採用した前世代プラットフォームに対して、パフォーマンスや容量について大きなアドバンテージがあること、そして価格についても『2007年半ばにも普及価格帯に落ち着くと予測されています』と述べた。そして、FB-DIMM のサポートに関してはベンダー各社の評価も高い――『FB-DIMM の採用により、搭載可能な物理メモリー容量は最大 64 GB (236バイト) になりました。(DP サーバー向け) デュアルコア インテル Xeon プロセッサーがサポートする物理メモリー空間も同じ 64 GB ですから、ようやくプロセッサーとプラットフォームのバランスが、調和したという感じになりました』 (システム・ベンダー A)

スカウゲン氏によると、今年の夏には世界 150 社以上のベンダーから、200 種類以上のサーバー/ワークステーションが出荷されるとのこと。デュアルコア インテル Xeon プロセッサー 5100 番台の優れた性能と電力効率、長期的に保障されたソケット互換性、64 ビット・コンピューティングにおける高速・大容量メモリーへのニーズに応える FB-DIMM の採用など、将来を見据えたインテルのプラットフォーム戦略には、ベンダー各社も期待を寄せているといった印象だった。

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