インテルは8月28日、これまで“Weybridge”というコードネームで知られていた第2世代のインテル vPro プロセッサー・テクノロジーを発表した。同社のプレス・リリースによると、第2世代vPro対応PCは『全世界のコンピューター・メーカーから、順次、発売される予定』で、国内向け第2世代vPro対応PC、ソリューションの詳細については、10月開催予定の「次世代インテル® vPro™ プロセッサー・テクノロジー・コンファレンス - 2007」で紹介するとのことだ。
既にvPro対応PCを導入している企業にとっては、「インテル アクティブ・マネージメント・テクノロジー リビジョン 3.0(インテルAMT 3.0)」や「ダイレクトI/O対応インテル バーチャライゼーション・テクノロジー(通称、VT-d)」、「インテル トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー(インテルTXT)」といった最新テクノロジーをサポートした第2世代vProには、非常に大きな期待を抱いていることだろう。
一方で、vPro対応PCの導入を検討している企業の中には、「vPro対応PCで謳っているような機能は、他のPCでは本当にできないのか?」「そもそもvPro対応PCとそうでないPCはどこが違うのか?」といった“根本的” な疑問を抱えているところも少なくないようである。そこで今回は、日本電気株式会社(以下、NEC)のvPro対応PC「Mate(メイト) タイプME」の特長を見ながら、あわせて「vProとは何か」を探っていく。
Mate タイプMEは、2006年9月に発表された企業向けハイエンドPCで、第1世代vPro、コードネーム“Averill”に対応している。vPro対応モデルは、インテル Core 2 Duoプロセッサー E6700(2.66 GHz)からE6320(1.86 GHz)までの4種類に対応し、メモリーは最大2 GBまで増設可能。インテル Q965 Expressチップセット、インテルAMT 2.1対応のLANコントローラー、TPM 1.2準拠のセキュリティー・チップが搭載されている。OSは、Windows Vista BusinessとWindows XP Professionalに対応し、「Windows Vistaプレミアム ロゴ モデル」が用意されている。また、USB機器ごとに使用の許可/禁止を設定できる「DeviceProtector」や、OS起動前のウィルス定義ファイル更新を可能とする「Alwaysアップデート・エージェント」といったセキュリティー関連ソフトウェアが標準添付されている。
メンテナンス性に優れたスリム・タワー型の筐体は、前面にマイク、ヘッドフォン端子を備え、ケーブル・ストッパーやケーブル・フックで「ケーブル抜け」を防止する工夫が施されている。また、オプションとして「指紋センサー機能付きUSB小型キーボード」やFeliCa技術対応の非接触ICカードを利用するための「FeliCaポート」が用意されるほか、筐体のアクセント・カラーをダーク・ブルー、エレガント・グリーン、エレガント・シルバーの3色から選ぶことができる。
【関連情報】
では、Mate対応MEにおける「vPro対応モデル」と「vPro非対応モデル」の違いを見てみよう。MateタイプMEでは、Windows Vista Businessモデル、Windows XP Professionalモデルを、合わせて12種類がラインナップしているが、vProに対応しているのはその中の8モデルとなる。表1はMateタイプMEのvPro対応モデルと非対応モデルの主なスペックをカタログから抜き出したものである。
| vPro対応モデル | 非対応モデル | |
|---|---|---|
| プロセッサー | インテル Core 2 Duo プロセッサー E6700 / E6600 / E6420 / E6320 | インテル Pentium 4 プロセッサー 531, インテル Celeron Dプロセッサー 347 |
| FSB(Front Side Bus) | 1,066 MHz | 800 MHz - Pentium 4 533 MHz - Celeron D |
| チップセット | インテルQ965 Expressチップセット | |
| メモリー | 最大2GB | |
| グラフィックス | チップセット内蔵(インテルGMA3000)オプション:NVIDIA GeForce 7300 LE | |
| セキュリティー・チップ | TPM 1.2準拠 | |
| LANコントローラー | Remote Power On機能標準装備インテル82566DMギガビット・ネットワーク・コネクション(インテルAMT2.1対応) | Remote Power On機能標準装備 |
| HDDベイ | 内蔵3.5インチ×2 (Serial ATA) | |
| 選択可能HDD容量 | 約80GB×1 ~ 約320GB×2 | |
| 消費電力(Windows Vista Business時) | E6700 - 約75W(最大約190W) E6320 - 約69W(最大約185W) |
Pentium 4 - 約79W(最大約197W) Celeron D – 約76W(最大約183W) |
| 本体寸法(W×D×H) | 88mm × 327mm × 345 | |
| 質量 | 約9.1Kg | |
インテル公式サイトによると、「インテルCore 2 Duoプロセッサー」「インテルQ965 Expressチップセット」「インテル82566DMギガビット・ネットワーク・コネクション」が第1世代vProの主要コンポーネントとなっている。表1で示した主なハードウェア・スペックを見ると、vPro対応モデル、非対応モデルともにインテルQ965 Expressチップセットが搭載されているが、vPro対応モデルがそうしたハードウェア要件を満たす構成になっているのに対して、非対応モデルでは、プロセッサーがインテル Pentium 4プロセッサー、あるいはインテルCeleron Dプロセッサー、そしてLANコントローラーはインテルAMTに未対応となっている。
vProプロセッサー・テクノロジーの重要な構成要素であるインテルAMTは、OSや電源の状態に依存されない「OOB(アウト・オブ・バンド)のリモート管理」や、電源投入直後から動作可能な「ハードウェア・ベースのNOC(Network Outbreak Containment)フィルター」、ソフトウェア・エージェントの動作状況を監視する「エージェント・プレゼンス」といった機能を提供する。特に後者2つはセキュリティーにおいて、OSブート時を狙った攻撃に対する強固な防御機能や、マルウェア感染PCの隔離機能などを提供するため、前述のAlwaysアップデート・エージェントやDeviceProtectorによるMateタイプMEのセキュリティー機能がさらに強化なものになる。LANコントローラーがインテルAMTをサポートしていないvPro未対応モデルの場合、当然それらの機能は利用できない。さらに、消費電力の項目に目を移すと、インテルCore 2 Duoプロセッサーを搭載したvPro対応モデルの方が、全般的に低消費電力であることがわかる。
vPro対応PCに搭載されたインテルAMTの機能は、管理コンソール・アプリケーションからのリクエストに従い、チップセットに内蔵された「インテル マネージメント・エンジン(インテルME)」を、プラットフォーム上のBIOS / ファームウェアで制御することによって実現される。そのため、vPro対応PCを管理コンソール・アプリケーションからリモート管理可能な状態にするためには、事前にインテルAMT用に拡張されたBIOS / ファームウェアの設定・構成が必要となる。これは以前‘プロビジョニング’と呼ばれていた作業で、大別して「スモール・ビジネス・モード」、「エンタープライズ・モード」の2種類がある。スモール・ビジネス・モードとは、管理対象のvPro対応PC上で直接、設定・構成を行うモード、一方のエンタープライズ・モードとは、DHCPサーバーやTLS認証のための認証局サービスのほか、インテルSCS(Setup and Configuration Service)のような構成サービスが整備されたエンタープライズ環境を介したvPro対応PCの設定・構成に対応したモードとなる。尚、エンタープライズ・モードはオプションとして、WindowsのActive Directoryに対応している。
因みに、NECが公開している『ME(Management Engine) BIOS Extensionについて』という資料を見れば、どのような設定項目があるかを知ることができる。また、各モード(スモール・ビジネス・モード、エンタープライズ・モード)における基本的な設定手順については、インテルvPro公式サイト内の『インテル アクティブ・マネージメント・テクノロジーのセットアップ講座』にて、ビデオ解説が公開されている。vPro対応PCの導入を検討されている方は、こうした情報に目を通すことで、ある程度は導入時のイメージがつかめると思う。
【関連情報】
MateタイプMEは、NECの統合運用管理ソフトウェアWebSAMのほか、表2のような管理アプリケーションでも動作が確認されている。vProプロセッサー・テクノロジーは、PCプラットフォームに対して共通のリモート管理基盤を提供するものなので、基本的には、管理対象PCと管理コンソール・アプリケーションが対応しているインテルAMTのリビジョン(AMT 1.0、AMT 2.2、AMT3.0など)が合っていれば、リモート管理が可能となる。また、上述したBIOS/ファームウェア設定・構成画面には、AMTの下位互換、つまり、以前のリビジョンで動かすためのメニューも用意されている。とは言え、メーカーの‘動作確認済み’というお墨付きがあれば、ユーザーとしてはより心強いハズだ。
尚、JP1 Version 8は2006年10月時点、QND Plus Ver.9.3の動作確認は、2007年7月時点となっている。
| メーカー | 製品情報 |
|---|---|
| 日本電気株式会社 | 統合運用管理ソフトウェアWebSAM |
| 株式会社 日立製作所 | 統合システム運用管理JP1 Version 8 インテルvProテクノロジー対応(AMT連携)製品のご紹介 |
| クオリティー株式会社 | IT資産管理ツールQND Plus QND Plus Ver.9.3の新機能 |
以上、見てきたようにNECのMateタイプMEは、スリムで保守性に優れた筐体に、デュアル・ディスプレイ機能や前面マイク/ヘッドフォン端子を備え、3色の筐体アクセント・カラー、薄型スタビライザー、サービス・コンセント付き電源コードが用意されるなど、オフィスでの使い勝手が考慮された工夫が随所に盛り込まれている。そして、vProプロセッサー・テクノロジーがもたらすパフォーマンス、管理性、セキュリティー面でのメリットに加え、国内の有名な管理ソフトウェアでの動作確認が取れているという‘安心感’が大きな魅力となっている。
日本電気 Express5800/R110b-1 2010/02/01 UP
日本電気 Express5800/T110b 2010/02/01 UP
富士通 PRIMERGY TX150 S7 2010/02/01 UP
富士通 PRIMERGY RX100S6 2010/02/01 UP
HPC SYSTEMS HPC5000-XN212R1S-SIP 2010/01/12 UP
日本ヒューレット・パッカード HP Compaq 8000 Elite MT/CT 2010/02/18 UP
日本ヒューレット・パッカード HP Compaq 8000 Elite SF/CT 2010/02/18 UP
東芝 Satellite K45 2010/02/18 UP
東芝 Satellite L45 2010/02/18 UP
松下電器産業 レッツノートCF-N9 2010/02/17 UP