ビジネスPCバイヤーズのためのメーカー特集 ~日本ヒューレット・パッカード~

2007/7/30 - IAポータル編集部

日本ヒューレット・パッカードのビジネスデスクトップPCをセキュリティ機能で徹底比較!

多発する企業や公官庁の情報漏洩問題や、急増するウィルス被害。多くのトラブルを抱える企業のシステムを解決すべく、ビジネスPCは、いまやパーソナルPCとは一線を画するほど多くのセキュリティ機能を備えている。しかも、vProプロセッサー・テクノロジーに代表されるプロセッサーのテクノロジーや、 Windows VistaのようなOSのセキュリティ、そして各メーカーが独自に取り入れたセキュリティ機能やセキュリティチップの搭載など、その性能は、マシンによって千差万別だ。
つまり、セキュリティ機能に着目することがビジネスPCを選ぶ際の重要項目の1つと考えられる。 そこで、ビジネスデスクトップPCのメーカーをピックアップし、そのメーカーの製品をスペックで徹底比較する。その第一回は、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)のビジネスデスクトップPCシリーズをとり上げる。

日本HPのビジネスデスクトップPCのラインナップ

2007年7月20日の時点でラインナップされているのは、4シリーズ、13モデル(以下図表)。ハイスペックシリーズの「dc7700」と「dx7300」。そして、スタンダードシリーズとして、intel製CPU搭載の「dc5700」とAMD製CPU搭載の「dc5750」だ。

シリーズ名 特徴 筐体・モデル
dc5700 intel製CPU採用スタンダードシリーズ スタンダード dc5700 SF/CT
dc5700 SF
dc5750 AMD製CPU採用スタンダードシリーズ スタンダード dc5750 SF/CT
dc5750 SF
ミニタワー dc5750 MT/CT
dc7700 intel製CPU採用ハイパフォーマンスシリーズ ウルトラスリム dc7700 US/CT
dc7700 US
スタンダード dc7700 SF/CT
dc7700 SF
ミニタワー dc7700 MT/CT
dc7700 MT
dc5750 intel社CPU採用の最新のテクノロジをいち早く採用するシリーズ スタンダード dx7300 ST/CT
dx7300 ST
ミニタワー dx7300 MT/CT

モデル名の末尾に「/CT」と付いたものは、カスタマイズ対応モデルという意味であり、パーツの選択によって目的に応じた構成にすることが可能となっている(選択パーツによってはvProプロセッサー・テクノロジーに非対応になる場合もある)。

チェックポイントは4つのセキュリティ機能

チェックするべきポイントは以下の4つ。

(1)TPM1.2セキュリティチップが搭載されているか?
TPM1.2セキュリティチップとは、パスワードや暗号鍵、電子証明書を管理するためのセキュリティデバイスだ。パスワードや暗号鍵、電子証明書などの情報を、HDDとは別のデバイスであるセキュリティチップに格納することで、セキュリティを高めることが可能となる。このTPMセキュリティチップによって、ファイルやフォルダの暗号化機能「EFS」や暗号化された仮想ドライブを作成する「PSD」など、データの暗号化も簡単に行えるので、情報漏洩の問題が多発する今日では必須の機能といえる。

(2)vProプロセッサー・テクノロジー対応か?
「Core2Duoプロセッサー」「インテルQ965Expressチップセット」「インテル82566DMギガビット・ネットワーク・コネクション」を搭載することで、インテルvProプロセッサー・テクノロジーに対応する。
さらにサードパーティー製の管理・セキュリティソフトウェアと組み合わせることで、リモートでのPC管理能力とセキュリティが向上し、PCの維持コストを引き下げることできる。注意したいのが、インテルVTテクノロジーに対応したCore2Duoプロセッサーを搭載したPCでないと、vProプロセッサー・テクノロジーを利用できないということだ。
つまり、vProプロセッサー・テクノロジーを活用する場合、カスタマイズ機の購入時にCore2Duo E6000番台のCPUを選ぶ必要がある。

(3)Windows Vistaが選択可能か?
最新OSのWindows Vistaでは、スパイウェアやフィッシング・サイトへの対策機能が追加されるなど、セキュリティ機能が強化されている。また、Windows Vista Buisinessでは、自動バックアップシステム「Windows バックアップ・センター」が搭載されている。

(4)セキュリティソフトウェア「HP ProtectTools」が添付されているか?
これは、いわゆるウィルス対策ソフトとはまったく別物。ここでいうセキュリティソフトウェアとは、BIOS、セキュリティチップ、認証デバイス、といった 各種セキュリティデバイスを一元管理できるソフトウェアだ。「セキュリティチップを利用したスマートカード認証」といった複数のセキュリティデバイスを組み合わせて利用することが多いため、特にセキュリティチップ搭載のPCでは、こういったセキュリティソフトウェアは欠かせない。日本HPでは、以下のような機能を備えた「HP ProtectTools」というセキュリティソフトを独自開発している。

デバイス 機能 説明
BIOS 電源投入時/BIOS管理者パスワードの設定 PCの電源投入時に入力を求める電源投入時パスワードやBIOSに入るための管理者パスワードの設定。
各種ポート/ドライブの有効化/無効化 各種インタフェースを無効にしたり、USBに接続されたFDDなどデバイスからのブートを無効にする。
セキュリティチップ 電子メールの保護機能 メールを暗号化して保護したり、電子証明書を添付して安全な電子メールのやりとりをする機能。
EFS ファイルやフォルダを暗号化するWindowsの機能。暗号鍵をセキュリティチップで管理できる。
パーソナルセキュアドライブ(PSD) ハードディスクの一部に暗号化された仮想ドライブを作成して重要なデータを保護する機能。
セキュリティデバイス
(指紋認証デバイス/スマートカード)
スマートカードの初期化 スマートカードの初期化、使用者データの保存し、カードに管理者権限やユーザ権限を与える。
OS起動前認証としてスマートカード利用 スマートカードを電源投入時パスワード、BIOS管理者パスワードの代わりに利用できる。
スマートカードのバックアップと復元 盗難や紛失に備えて、バックアップが可能。
シングルサインオン 認証が必要なWebサイトやアプリケーションのユーザID/パスワードを記憶し、自動入力をする機能。
Windowsログイン強化 認証が必要なwebサイトやアプリケーションで、パスワードの代わりに指紋認証やスマートカードを利用できる。
各種ポート/ドライブ Device Access Managerによる詳細な制限 各種ポート/ドライブの有効化/無効化を、ユーザ/グループごとに詳細に設定したり、USBに接続して利用できるデバイスを制限できる。

セキュリティ機能でシリーズを比較

シリーズ名 (1)TPM1.2セキュリティチップ (2)vProテクノロジー (3)WindowsVista (4)HP ProtectTools
intel製CPU搭載
dc5700
× 以下が選択可
Windows Vista Home Basic
Windows Vista Buisiness
×
AMD製CPU搭載
dc5750
× × 以下が選択可
Windows Vista Home Basic
Windows Vista Buisiness
×
intel製CPU搭載
dc7700
以下が選択可
Windows Vista Home Basic
Windows Vista Buisiness
intel製CPU搭載
dx7300
× 以下が選択可
Windows Vista Home Basic
Windows Vista Buisiness
×

dc7700以外のシリーズには「HP ProtectTools」が添付されていないが、電源投入時/BIOS管理者パスワード、各種ポート/ドライブの有効化/無効化、を設定できる。また、 4つのシリーズすべてに共通する機能として、HDDに直接パスワードを設定するDriveLock機能が搭載されている。

安心と安全、長期的コストを考えてもdc7700シリーズがお勧め

最終的に購入の判断をする上では、セキュリティだけではなく、ほかの要素も見る必要があるだろう。例えばコストだ。

ハードウェア自体の購入価格で考えると、各シリーズはおおよそ、以下のような価格帯となる。

  1. dc5700SF E6300/1.0/160m/XP ¥109,200(税込)
  2. dc5750SF Ax2 3800+/1.0/160m/XP ¥85,050(税込)
  3. dc7700SF E6400/1.0/160m/XP ¥136,500(税込)
  4. dx7300ST/CT E6400/1.0/160m/XP ¥131,775(税込)
※各シリーズで共通して選択できる、メモリ1GB、HDD160GB、Windows XP Professionalモデルを選択した場合の価格。

セキュリティに優れたdc7700シリーズは、確かに初期購入はコスト高のように見える。しかし、コストを見る場合は、PC購入価格だけで はなく、長期的な運用コストも視野に入れて考える必要もあるだろう。実際、インテルのIT部門の2006年の分析によると、PCを3年間で買い換える場合の年間管理コストは1台あたり平均96,008円とされている。これには、PCの購入価格の他に、人件費を含む運用コスト等が含まれる。つまり、PCの購入価格自体は、管理コスト全体の20%~30%に過ぎず、企業システム全体のコストを下げるためには、PC購入価格よりもむしろ運用コスト削減の機能が重要であることなのだ。

その点、vProプロセッサー・テクノロジーは、セキュリティ性能向上だけではなく、企業のシステム管理の効率化によるコスト低減のために有効な機能を持ち合わせている。
例えば、vProプロセッサー・テクノロジー対応のPCは、管理用PCから、遠隔での電源のON、OFFやインストールされたアプリのメンテナンスが容易に行える。日本HPの「HP Client Configuration Manager」のような管理ソリューションには、vProプロセッサー・テクノロジーの管理機能を効果的に利用するための機能やインターフェイスが備わっており、管理業務の負担軽減も実現している。

vProプロセッサー・テクノロジーを導入した企業では、デスクサイド・サポートを50%、ソフトウェアの問題の75%を削減できるとした評価レポートもあり、vProプロセッサー・テクノロジーは、企業PC運用のコスト低減がおおいに期待できるといえるだろう。

これらを考慮すれば、既にvProプロセッサー・テクノロジー対応PCを導入している企業はもちろんのこと、まだ導入していない企業もvProプロセッサー・テクノロジー対応かつセキュリティチップ搭載のdc7700シリーズが、セキュリティとマネージャビリティ、そしてコストを考えた場合、ベストバイといえる。た だし、購入の際は、VT対応のE6000番台のCore2 Duoプロセッサーを忘れずに。

例えばこのモデル:dc7700SF E6400/1.0/160w/VB

Windows Vista Business搭載のスタンダードモデルをチョイス。Core2 DuoプロセッサーE6400で、vProプロセッサー・テクノロジーにも対応し、セキュリティ面でも安心できる構成だ。

OS Windows Vista Business 正規版
CPU インテル Core2 Duo プロセッサ E6400(2.13 GHz, 2MB L2キャッシュ、1,066MHz FSB)
メモリ PC2-6400(800MHz) 1GB
HDD Serial ATA/300 160GB(7,200rpm) S.M.A.R.T対応
ドライブ Serial ATA 最大48倍速CD-RW/DVD-ROMコンボドライブ
製品価格 ¥132,300(税込)


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