「vPro」(ヴィープロ)準拠のPCが日本の法人市場に投入されて4ヵ月ほどが経過し、vProに正式対応を終えた(または次期バージョンでの対応機能を発表している)運用管理ソリューションも出揃ってきました。これから数回に分けて、こうしたvPro対応ソリューションをジャンル別に取り上げてゆきたいと思います。
その第1回となる今回は、デスクトップPCのインベントリ(ハードウェア/ソフトウェアの構成情報)収集・キッティング(使用環境のセットアップ)・ソフトウェア配布などを主眼とする、いわゆるIT資産管理系のツールを紹介しましょう。
サーバからクライアントまで、あらゆる規模のシステムに対応した包括的な運用管理ソリューション「HP OpenView」を擁するヒューレット・パッカードからは、OpenViewブランドの再編に合わせて、中小企業~大企業の部門単位での使用を想定した新しいPC運用管理ソフトウェア「HP Client Configuration Manager」が2007年4月に登場します。
同ソフトウェアはvProテクノロジーに完全対応しており、vProに準拠しているPCであれば、エージェントがインストールされていない状態でもアウトバンド(OOB)通信経由による電源オフ状態からのインベントリ取得、リモートからの電源投入によるソフトウェア配布やパッチ管理などを実現。さらにOSレベルでの障害が発生した場合もネットワーク経由でOS自体を再配布してリカバリーする、強力なクライアント管理機能も提供しています。
なお、同社のWebサイトで無償配布されている「HP Client Configuration Manager Basic Edition」でも、vPro対応の機能を利用することができます。本格的なソリューション検討の前にAMTのポテンシャルを評価したい場合は、まずこの製品を試してみるのがいいかもしれません。
デスクトップ管理の分野で高い市場競争力を持つLANDesk Software社の「LANDesk」に、Lenovo独自の運用管理テクノロジーである「ThinkVantage」機能を統合した「LANDesk Management Suite for ThinkVantage」は、2006年の時点でvProへの対応を完了。「LANDesk」は標準的な資産管理機能に加え、PC間のユーザープロファイル移行、運用状態監視、リモート操作、セキュリティ保護などの機能も持っており、資産管理を出自とする製品の中では最も多機能なソリューションに分類できます。
同製品では他の資産管理ツールと同様、インベントリ収集やソフトウェア配布などにAMTを活用。さらにAMTのリモートブート機能とコンソール・リダイレクト機能を駆使することで、PCが起動不能になった場合も、ブートデバイスを修復サーバ上のディスクイメージに切り替えてPCを起動し、障害原因を切り分け、ソフトウェア配布やOSの再インストールなどの対処をフルリモートで実行できます。またvProのハードウェアベースのネットワーク・フィルターを利用して、トラフィック上のウイルスやワームをスキャンし、感染したマシンをネットワークから自動隔離して修復作業を起動することも可能になりました。
強力なソフトウェア/パッチ配布機能やキッティング機能を中心に、多彩なIT資産管理機能を提供しているJALインフォテックの「PALLET CONTROL」は、2007年の第1四半期にvPro対応バージョンを発表予定。
最新バージョンをvPro搭載PCと組み合わせれば、ユーザーPCの電源投入状態や権限設定に左右されない安定したソフトウェア/パッチ配布や、不揮発性メモリーへのアクセスによるPCの処理負荷を最小限に抑えながらのインベントリ収集などが可能になります。PALLET CONTROLでは今後も継続的にインテルvProテクノロジーに対応した機能が追加される予定です。
インベントリ管理を軸に発展してきた純国産のIT資産管理ツールとして、「国内上場企業の6社に1社が導入済み」という豊富な採用実績を誇るクオリティ株式会社の「QAW/QND Plus」は、2007年3月にリリースされたバージョン9.3からvProに対応しています。
vPro準拠PCに対しては、電源が切れていても不揮発性メモリーに保存された基本的なハードウェア情報(デスクトップ管理インターフェース(DMI)準拠の基本情報)の取得が可能になったほか、より詳細なインベントリ情報を収集する場合もインテル アクティブ・マネジメント・テクノロジー(AMT)を利用してPCの電源を自動投入し、OSレイヤでQAW/QND Plusのインベントリを取得してからシャットダウンするといった徹底したプッシュ型オペレーションを実現。さらにvPro準拠マザーボードに一意に割り振られている識別番号(UUID)をQAW/QNDの管理IDとすることで、OSの再インストールやHDD交換などでOS領域内のプロファイルが削除/更新されても管理データとの紐付けを自動的に維持できるようになりました。
IT資産管理ツールの分野では、急速なペースでvProへの対応が進んでおり、現在では国内外を問わず、主要製品の多くがvProベースのインベントリ収集やリモート起動などを搭載しています。社内に分散するIT資産を漏らさず「見える化」しなければならない資産管理ツールにとって、PCの電源オフ時や障害発生時にもPC「見える」状態を維持できるvProは、まさに待望のテクノロジーだったということでしょう。
その一方で、セキュリティ管理や運用監視といった他分野向けのツール群でも、vProへの対応に合わせてインベントリ収集などの資産管理機能を強化する傾向が見られます。ジャンル間の機能的コンバージェンスが進む現在の運用管理ソリューション市場において、vProのデファクト・スタンダード化がこの流れをさらに加速していると言えるかもしれません。
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