2006年10月11日、インテルは「インテル vPro テクノロジー・コンファレンス」を開催した。インテル vPro テクノロジー(以下、vPro)は、ビジネスPC向けプラットフォームのブランドとして4月に発表され、9月にはその技術的な詳細が公開されているが、今回のイベントでは「対応ソリューション」の紹介という、更に一歩進んだ内容になった。
まずオープニング・アクトを務めたインテル株式会社 代表取締役共同社長 吉田 和正 氏は、世界のIT部門が今日抱えている4つの課題(セキュリティー、運用管理コスト、ワークスタイルの多様化、データ量の増大)を示し、これら全てに対応できるソリューションの実現が切実なものになっていると述べた。その上で同氏は、優れた運用管理機能とセキュリティー機能、そして、複数のOSを並列稼動させる仮想化環境でも軽快にこなすパフォーマンスを低消費電力で実現する能力を備えたvProが、今後のビジネス向けクライアントPCに大きな変革をもたらすことになると述べた。
また仮想化に関して、文部科学省で採択された「高セキュリティー機能を実現する次世代OS環境の開発」に盛り込まれている「セキュアVM」の開発において、インテルと国立大学法人 筑波大学が協力することで合意したと発表した。吉田氏によると、同プロジェクトは、導入や操作が簡単で、利用者の環境に依存しないセキュリティー機能を備えたVM環境の開発を目指したもので、おそらく1~3年後には世の中に出てくるだろうとのこと。
インテル コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 デジタル・オフィス事業部長のグレゴリー・ブライアント氏は、1999年当時の自身の体験と今日のIT環境を比較しながら、IT予算のカットでIT部門が人手不足になる一方、「腕試し」よりも「金銭目的」のためにセキュリティー攻撃を仕掛ける人間が増加傾向にあることに触れ、こうした状況にはPCの運用管理を効率よく実施でき、巧妙なセキュリティー攻撃にも迅速に対応できるソリューションが必要であることを強調した。そして「vProの登場は、ここ10年間における一番の飛躍になる。」と述べ、実際にvProを導入することで「運用管理」と「セキュリティー」の何が変わるかを"ビフォー・アフター"形式で紹介するデモが行われた。
ショーケースでは、国内PCメーカー、および管理ソフトウェア・メーカーによるvPro対応製品の展示、デモが行われた。
その中の数社に話を聞いたところ、今のところは"ハードウェア先行"といった感じで、管理ソフトウェアの充実が本格化するのは来年になりそうだという。
しかし、各社からは一様に、vProマシンは消費電力が少なく、パフォーマンスに優れているので、ソフトウェア環境は現状のまま、とりあえずマシンだけ先に導入するという選択肢にも意味がある、といった声が聞かれた。また、ある管理ソフトウェア・メーカーの担当者は、vProに対して、次のように期待感を語った。
「規模の大きな企業になると数百、数千というPCが導入されていますが、個々のユーザーの好みや部署の業務などの違いで、全体を同じOSで統一するのは現実には難しいです。しかしvProマシンの管理機能はOSに依存しませんし、また仮想化機能を使えば、サービスOSを統一してもユーザーに何の問題も起こりません。そういう意味でもvProには期待しています。」
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