インテル Core 2 Duoプロセッサー(Conroe)の性能水準

2006/9/5 - トピックメーカー/田中伸一

 インテルは2006年7月27日、“インテル Core 2 Duoプロセッサー・ファミリー”を発表した。ラインナップは、デスクトップPC向け(開発コード“Conroe”)5製品、ノートブックPC向け(同“Merom”)5製品の計10製品(表1)。デスクトップ向けの価格はインテル Core 2 Extremeプロセッサー X6800(2.93GHz / L2キャッシュ4MB、以下X6800)が115,900円、“E”シリーズの最上位であるインテル Core 2 DuoプロセッサーE6700(2.66GHz / L2キャッシュ4MB、以下E6700)が61,490円、最も手ごろな同E6300(1.86GHz / L2キャッシュ2MB、以下E6300)が21,230円となっている(いずれも1,000個ロット時)。8月以降、Conroe搭載のデスクトップPCやマザーボードが続々と登場しており、バリエーションの幅も、上は数十万円コースのX6800搭載ハイスペック・モデルから、下はOSプリインストールでも10万円を下回るE6300搭載のエントリー・モデルまでと広い。同時にインテル Pentium Dプロセッサー搭載マシンも手に入りやすくなっていることから、ユーザーにとっては大いに悩まされる時期である。そこで今回は、ウェブ上で公開されているベンチマーク結果をもとに同社が 『世界で最も優れたプロセッサー』と自信を見せる新製品の性能がどれだけの水準にあるかを見てみる。

プロセッサー
ナンバー
コア
クロック
フロントサイド
バス
L2キャッシュ
容量
単価
(千個ロット時)
 
X6800 2.93 GHz 1066 MHz 4 MB ¥115,900
E6700 2.66 GHz 同上 同上 ¥61,490
E6600 2.40 GHz 同上 同上 ¥36,660
E6400 2.13 GHz 同上 2 MB ¥25,990
E6300 1.86 GHz 同上 同上 ¥21,230
 
T7600 2.33 GHz 667 MHz 4 MB ¥75,240
T7400 2.16 GHz 同上 同上 ¥49,960
T7200 2.00 GHz 同上 同上 ¥34,730
T5600 1.83 GHz 同上 2 MB ¥28,470
T5500 1.66 GHz 同上 2 MB ¥24,690

表1)
インテル Core 2 プロセッサー・ファミリーのラインナップ
・Xシリーズ、Eシリーズはデスクトップ向け
・Tシリーズはノートブック向け

SPECint_rate_base2000

 米Intelは同社のサイト “Intel Core 2 Duo and Intel P965 Express Chipset” において、E6700とIntel NetBurst マイクロアーキテクチャー世代のデュアルコア・プロセッサー“インテル Pentium Dプロセッサー 960(3.60GHz / L2キャッシュ2MB×2、以下960)”、およびシングルコア・プロセッサー“インテル Pentium 4 プロセッサー 670(3.80GHz / L2キャッシュ2MB、以下670)”のベンチマーク結果を公開している。それによると、E6700の性能はSPECint_rate_base2000(整数演算のスループット)で、670の約2.5倍、960に対しても約1.5倍である(表2)

プロセッサー
ナンバー
SPECint_rate_2000 対960 対670
 
E6700 59.3 +50.9 % +155.6 %
960 39.3 +69.4 %
670 23.2 -41 %

表2)
SPECint_rate_base2000で見たE6700と960、670の相対性能*1)

1)
各テスト機の構成に関しては、Intel Corporation が公開している 2006年7月の "Test System Configuration" (英語) にてご確認ください。

次にSPEC(Standards Performance Evaluation Corporation)のサイトから、上記E6700のベンチマーク結果に対して±5%の範囲(SPECint_rate_base2000 = 56.3~62.3)にあるものをいくつかピックアップしてみた(表3)。システム構成の詳細についてはSPECのサイトをご確認いただくとして、大雑把に見たところではE6700と同じインテル Core マイクロアーキテクチャー世代のデュアルコア・プロセッサーの場合1プロセッサー(2コア)構成、Intel NetBurst マイクロアーキテクチャー世代では2プロセッサー(4コア)構成、2.66 GHz~3.00 GHzのプロセッサーを搭載したシステムが近い性能水準にあることがわかる。

モデル名 プロセッサー CPU数 / コア数 SPECint_rate_base2000
 
Acer
Altos R710*2)
Paxville DP 2.80GHz
L2キャッシュ2MB×2
FSB 800MHz
HT有効
2 / 4 58.6
DELL
PowerEdge 1855*3)
同上 2 / 4 57.3
DELL
Precision Workstation
690*4)
Woodcrest 5150
2.66GHz
L2キャッシュ4MB
FSB 1333MHz
1 / 2 56.4
同上*5) Woodcrest 5160
3.00GHz
L2キャッシュ4MB
FSB 1333MHz
1 / 2 62.0
Fujitsu Siemens
PRIMERGY RX200 S3*6)
Woodcrest 5160
3.00GHz
L2キャッシュ4MB
FSB 1333MHz
1 / 2 61.7
Fujitsu Siemens
PRIMERGY BX620 S3*7)
Dempsey 5050
3.00GHz
L2キャッシュ2MB×2
FSB 667MHz
2 / 4 62.2
同上*8) Woodcrest 5150
2.66GHz
L2キャッシュ4MB
FSB 1333MHz
1 / 2 56.3
Intel
D975XBX
(マザーボード)*9)
Conroe X6800
※表1参照
1 / 2 61.6

一方、実際のビジネス・アプリケーションを走らせた時の性能を評価するBAPCO(Business Applications Performance Corporation)の“SYSmark 2004 SE”の結果を見てみる。上記Intelのサイトによると、E6700搭載マシンの総合結果(Rating)は378、これに対して960と670は、それぞれ254、234である。また、“Office Productivity(オフィス生産性)”の各評価項目についての具体的なスコアは記載されていないが、CommunicationでE6700は、960と670の1.33倍、Data Analysisで1.46倍、Document Creationで1.58倍となっている。これを見ると960と670では、「HTテクノロジー無しのデュアルコア」と「HTテクノロジー付きのシングルコア」という違いがあるが、(HPC分野のように積極的なチューニングを行う場合は別として)市販のビジネス・アプリケーションを使う一般的な事務用途では、さほど性能の差はないということになる。それに対してE6700は、そうしたソフトウェア環境でも充分なパフォーマンス・メリットが期待できることがわかる。

尚、BAPCOが公開しているSYSmark 2004 SEベンチマーク結果の中で総合結果が300台に達しているのは、インテル Pentium プロセッサー エクストリーム・エディション 965(Presler 3.73GHz / L2キャッシュ2MB×2)の305と、AMD Athlon 64 FX-62(2.80GHz / L2キャッシュ1MB×2)の312である。

以上、公開された情報をもとにインテル Core 2 Duoプロセッサーの性能を探ってみた。ここで取り上げたベンチマーク結果はあくまで指標のひとつに過ぎないが、同プロセッサー・ファミリーがPCのパフォーマンス・ヘッドルームを拡大することは、間違いないだろう。ところでインテルは2006年8月25日から10月31日までの期間で『インテル Core 2 Duo / Extremeプロセッサー発表記念ベンチマーク・コンテスト』を実施している。自作、メーカー製、いずれでも参加できるので、みなさんも応募してみては?

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