Changing the game - インテル vPro テクノロジー記者発表会 -

2006/4/28 - トピックメーカー/田中伸一

 2006年4月25日、ビジネスPC向けプラットフォームの新ブランド“インテル vPro(ヴィープロ)テクノロジー”の記者発表会が行われました。

吉田 和正 インテル株式会社 代表取締役 共同社長は挨拶の中で、今回インテルが発表したインテル vPro テクノロジーの革新技術により、企業のIT部門は予算をより効果的に活用できるようになると紹介しました。

「“Changing the game”という言葉は、インテルが如何に社会に対して貢献できるかを象徴しています。初めてのPCや携帯電話、インテルの歴代プロセッサー製品は、新しい技術で市場に大きな変化をもたらしました。インテル vPro テクノロジーは、最近では不可欠となっているセキュリティー関連のアプリケーションやサービスを含めたIT導入の迅速化、管理コストの削減、省電力化を可能とする数々の革新技術により、企業コンピューティングに“Changing the game”をもたらします。」

吉田 和正 インテル株式会社 代表取締役 共同社長とティム ダン インテル コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 プラットフォーム・コンポーネント事業部長。

そして、ティム ダン インテル コーポレーション デジタル・エンタープライズ事業本部 副社長 兼 プラットフォーム・コンポーネント事業部長が、インテル vPro テクノロジーの詳しい説明を行いました。

インテルのプラットフォーム・ブランドには、既にモバイル向けに“インテル Centrino モバイル・テクノロジー”と、ホームPC向けに“インテル Viiv テクノロジー”がありますが、今回新たに発表されたインテル vPro テクノロジーは、企業の競争優位性を高めるための革新性を提供するものになる、とダン氏は述べました。そして、企業における同テクノロジーの具体的な役割としてあげたのが保守・管理コストの削減です。

「現在、IT予算の約9割をセキュリティー対策や故障からの復旧、コンプライアンスへの規制強化といった保守・管理が占めています。そして競争力を高めるためのイノベーションに使われているのは、残りの1割です。保守・管理の割合を削減することで、IT部門は競争力を高めるためのイノベーション、つまり技術革新に多くの予算を活用できるようになります。」

インテル vPro テクノロジーの構成要素は次の通りです。

  • “Conroe (開発コード)”プロセッサー
  • インテル Q965 Expressチップセット
  • インテル PRO/1000ネットワーク・コネクション
  • インテル アクティブ・マネージメント・テクノロジー(インテル AMT)
  • インテル バーチャライゼーション・テクノロジー(インテル VT)
  • チップセット、ネットワーク・コントローラー用ドライバーをはじめとするプラットフォーム・ソフトウェア
  • インテルとパートナー企業によるソリューション

そしてダン氏は、同テクノロジーが持つ次の3つの特長が保守・管理コストを削減し、結果として、IT部門は「ITで自社の競争優位性を確保する」という本来の業務に専念できるようになる、と語りました。

  1. ハードウェアに内蔵された高度な管理機能
  2. 事前予防型のセキュリティー強化機能
  3. 電力効率に優れたパフォーマンス

まず、1. ハードウェアに内蔵された高度な管理機能では、IT部門のサポート件数において、デスクサイド、つまり現場に赴かなければならないのは実際には全体のわずか1割強で、残りはリモートで解決できるものです。これをコストで見ていくと、デスクサイドでのサポート・コストが5割近くを占めるようになるという米国の調査会社のレポートを例にとり、その主な要因として次の5つをあげました。

  • 電源が切られている
  • OSを立ち上げられない
  • ウイルス感染
  • ユーザーにより、エージェントが無効化される
  • 構成情報をリモートでトラッキングできない

インテル vPro テクノロジーでは、システムが上のような状況にあっても、的確なリモート操作を可能とするインテル AMTがサポートされています。これによりPCの管理が格段に容易になります。

次の 2.事前予防型のセキュリティー強化機能では、OS、アプリケーションにセキュリティー上の脆弱性が見つかって、ベンダーから対応パッチがリリースまで平均して40日以上を要します。これに対してエクスプロイト・コード(脆弱性を突くプログラム・コード)の出現日数は年々短くなり、場合によっては“Zero-day attack”もあるという状況を示した上で、セキュリティー強化機能のデモを行いました。

エージェント・チェック・デモ

<攻撃>
(1)攻撃者がIT部門を装って「セキュリティー・エージェントを無効化した上で、添付のパッチを適用してください」といった旨のメールを送りつける
(2)それを信じたユーザーはエージェントを無効化しようとする

<対応>
(3)ウォッチ・ドック・タイマー(番犬)が無効化操作を検出
(4)“Agent Restored”の警告メッセージと共に、無用な無効化を防止

エージェント・チェック・デモの様子。(※画像をクリックすると拡大します。)

システム・デフェンダー

(これまで「サーキット・ブレーカー」と呼ばれていた機能です)

パターン1

<攻撃>
(1)PCに対してZero-day attackが仕掛けられます

<対応>
(2)IT部門が設定したポリシーに従わないネットワーク・パケットを検出
(3)自動的に通信を遮断すると同時に、IT部門にアラートを上げる

パターン2

<攻撃>
(1)ユーザーがソフトウェアをダウンロードします
(2)ウイルスに感染、DDOS(分散型サービス拒否攻撃)の踏み台にされます

<対応>
(3)DDOSのパケット・パターンを検出
(4)“Network Disconnected”の警告メッセージを出し、ユーザーOSをネットワークから遮断
(5)サービス用ネットワークを介してパッチを適用
(6)“Reconnected”メッセージを出し、ネットワークに復旧

システム・デフェンダーのデモ。"Reconnected" メッセージでネットワークに復帰します。(※画像をクリックすると拡大します。)

そして 3.電力効率に優れたパフォーマンスでは、歴代インテル プロセッサーが“ムーアの法則”に従って、パフォーマンスを向上させていること、シングルコアのIntel NetBurst マイクロアーキテクチャーで頭打ちとなった「ワット当たりの性能」が、デュアルコア化、そしてインテル Core マイクロアーキテクチャーの登場で向上していることを紹介しました。このとき披露されたパフォーマンス・デモは、次のような内容でした。

  • 比較マシン
    • 2005年のビジネス・デスクトップ
      • インテル Pentium 4プロセッサー 600番台
      • 2.0GHz / L2キャッシュ2MB
    • 2006年のビジネス・デスクトップ
      • インテル vPro テクノロジー
      • Conroeプロセッサー搭載
  • 比較方法
    • Microsoft Office 12を使用し、モンテカルロ法によるシミュレーションが終了するまでの時間を計測
  • 結果
    • 2006年版ビジネス・デスクトップ:12.675秒
    • 2005年版ビジネス・デスクトップ:40.021秒

左は2005年のビジネス・プラットフォーム、右がインテル vPro テクノロジー・プラットフォーム。(※画像をクリックすると拡大します。)

またこのとき、2005年の一般的なビジネス・デスクトップが平均180Wの電力を消費していたのに対して、デモで使用したインテル vPro テクノロジー対応デスクトップは、平均140Wと低消費電力で、筐体もコンパクトであることが紹介されました。

ダン氏は最後に、「5万台のPCのライフサイクル全体で、日本は330万ドル規模のコスト削減効果になります。」と述べ、インテル vPro テクノロジーがもたらす、大きなコスト削減効果をアピールしました。

なお、インテル vPro テクノロジー・プラットフォーム搭載の製品は 2006年第 3 四半期の発売が予定されています。

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